相田みつを風ブラックボード【天然だもの】
おはようございます。
(有)松葉製畳の2代目、松葉清幸です。
思いもよらない昨日の積雪、
そして今朝の気温は−10℃…。
全国的には春一番のニュースが流れて春の訪れ近しですが、ここ高山はまだまだ冬模様。
でも一歩一歩確実に春が近づいています。
さて、先日店頭のブラックボードを書き換えてみました。
最近お気に入り【相田みつを風】です(笑)
天然い草の畳は日差しによって必ず日に焼けて
青畳から黄色に退色していきます。
それは天然であるからの宿命です。
普段お客様と接していますと
「日に焼けない畳は無いの?」と聞かれることが
あります。
日に焼けない畳はあります。
しかしそれは天然のい草では無く、工場で製造されるいわゆる「化学表」と呼ばれる工業製品。
化学表にも利点はあります。
カラーが豊富で洋風の室内にも違和感なくマッチします。
こんな感じに。
でもふと思ったんです。
日に焼けるって悪いことなの?
何年か前にラジオやテレビでコーナーを持つ
東海地区では超が付くほど有名な住宅会社の社長がラジオでこんな事を言っていました。
「畳なんて年数が経つと日に焼けてみすぼらしくなる…」
ラジオを聴いていてこの社長がかわいそうになりました。
「長年、住宅に携わっているのに日に焼けたらみすぼらしくなる畳しか見たことがない」のだと。
確かに中国産の下級品の畳表は経年退色すると
色がまだらになり、ササクレがひどく正に【みすぼらしい】見た目になります。
しかし、しっかりとした国産天然い草の畳表は
経年退色するごとに艶が増し、色は黄金色に輝いて新品の青畳に勝るとも劣らない畳になります。
先日熊本のい草農家さんのお座敷の畳です。
新品から十数年経った状態でしたが
とても綺麗に経年変化していました。
もともと日本人は独特の世界観を持ち、
諸行無常、物事の変化に美を感じる感性を持っています。秋に枯れゆく紅葉を楽しむように。
それがいつしか無機質な変化のないものが良い
みたいな感じになってきたのじゃないかと。
私たち畳屋側にも責任はあるんですけどね。
「この畳は日に焼けませんよ、いつまでも青畳の色を保ちますよ」ってオススメしてきたのは私たち畳屋ですから。
今は畳縁もおしゃれに進化、水玉模様のポップなものやモダン和風の和柄、可愛い花柄などたくさんあります。畳縁の選択次第で洋風の室内にも十分マッチした畳空間を演出出来ます。
当店ではお見積時に退色後の畳表サンプルも一緒にお持ちして、上級品と下級品で退色後にどのような差が出るか説明してます。
【日に焼けたっていいじゃないか、天然だもの】